シラバス
題目:論理学演習
授業のテーマと目的
本演習では、数学における証明を題材に、証明で使用される「論理的」操作が可能な記号処理の体系を紹介し、単なる記号の処理を行なう体系が「論理」と呼ばれるにはどんな性質を満たす必要があるかを考察する。
授業計画と内容
前期には、最小述語論理の自然演繹を紹介する。問題演習を通じ、各自が自然演繹の証明が出来るようになることが目標である。また、最小論理上の算術の体系「最小算術 Q」を例に、数学における多くの証明が最小論理で遂行可能であることを示す。
後期では、論理結合子の意味とは何かを考え、「証明論的意味論」と呼ばれる考え方を紹介する。また、論理結合子の条件とは何かを、推論主義の立場から、Belnapのtonkの例を中心に考察する。最後に、論理規則を付け加えるとはどういうことかを、例を挙げて考える。すなわち、最小論理に矛盾律、排中律と論理規則を加えていき、直観主義論理、古典論理の体系を紹介し、どのような違いがあるかを示す。
成績評価方法
ほぼ毎回出題する宿題の累計成績に準じて行う。
コメント
体系を理解するためには、まず手を動かして練習問題の証明をやってみよう。〜とは何か、と考えるのはそれから。