基礎演習 I 論理学

京都大学文学部の「基礎演習 I 論理学」(毎週火曜日16:30〜18:00)の授業Blogです。

今週の授業予定

授業第七回目、命題論理はいっぺんおいて、今回から述語論理に入ります。量化子の初回は何故量化子が必要なのか、量化子∀との∃の導入の意図を説明します。
数学では無限を本質的に扱いますが、無限は命題論理の枠組みでは分析しきれません。そこで、「無限」という概念をもっと分析し、たとえば「自然数は無限に存在する」から「5より大きい自然数が存在する」が推論できるようために、新たな記号∀との∃を導入するのです。
このように、形式化の際には、対象となるメタの概念を細かく分析することが鍵となります。

授業内容

  1. 前回の復習
  2. 宿題の答え合わせ
  3. 無限概念
  4. 量化子の導入
  5. 量化子のきまり
参考資料

量化子を導入したことによる哲学へのインパクトについては、以下の本を参考にしてください(名著です)。

授業内容

授業第六回目の今回は、最小命題論理の自然演繹、⇒, ∧と∨の導入規則・除去規則についての演習です。また、これまで論理結合子⇒, ∧, ∨ を学んできましたが、それらの間の相互関係について考えてみたいと思います。

  1. 前回の復習
  2. 宿題の答え合わせ
  3. 演習
  4. 自然演繹:⇒, ∧, ∨ の関係


授業内容

授業第五回目の今回は、メタの世界の「かつ」と「または」をシミュレートする、自然演繹の∧と∨の、導入規則・除去規則について紹介します。また、論理結合子⇒,∧と∨の導入規則と除去規則を持つ記号体系として、最小命題論理を定義します。

  1. 前回の復習
  2. 宿題の答え合わせ
  3. 自然演繹:∧ の規則
  4. 自然演繹:∨ の規則
  5. 例題
  6. 最小命題論理

授業第四回目は、⇒の導入規則/除去規則に関する問題演習です。前回出題の宿題の回答も説明します。また「きれいな証明」や「部分論理式原理」という概念を紹介します。「きれいな証明」は、名前こそショボいですが、後期で「正規な証明」として再登場する、実は論理学で最も重要な概念の一つなのです。。

  1. 前回の復習
  2. 宿題の答え合わせ
  3. きれいな証明
  4. ⇒の証明例
  5. 今後の予定

授業第三回目は論理的帰結関係を表す論理結合子⇒の自然演繹における導入規則・除去規則です。論理学の最も重要な概念の一つが論理的帰結関係ですから、それを表す論理結合子⇒ こそ「the 論理結合子 of 論理結合子」という感じです。導入規則と除去規則は、論理結合子⇒の定義を与えるものであるため、合わせて論理的語彙の「定義」とはどういうものであるべきかの検討も行います。

  1. 前回の復習、宿題の解答
  2. よい「定義」の条件
  3. 自然演繹:⇒の導入・除去規則

授業第二回目の今回は、帰納的定義を紹介します。また、その例として、形式言語における「自然数もどき」(自然数を表現する計算機内のコード)、項、命題などの帰納的定義を紹介します。
帰納的定義は、計算機上でメタの数学をシミュレートする際の基本的な道具で、今後頻出します。ぜひ覚えておいて下さい。

授業内容

  1. 前回の復習
  2. 準備:形式言語
  3. 自然数帰納的定義
  4. 項の帰納的定義
  5. 命題の帰納的定義

授業第一回目の今回は、本授業の事務上の説明(オンライン授業の進め方、成績評価)および、人間の推論のコンピュータによるシミュレーションとしての形式的な論理学とはどういうものであるかを説明します。同時に、その際に重要になってくる「メタ/対象」などのキーワードをいくつか説明します。

授業日時

  • 授業時間:4月13日(火)16:30〜18:00

授業内容

  • 演習の説明(目的・進め方・成績評価の仕方・参考書)
  • 論理とは何か(授業の内容・方針)
  • キーワード
  • 授業計画