基礎演習 I 論理学

京都大学文学部の「基礎演習 I 論理学」(毎週火曜日16:30〜18:00)の授業Blogです。

後期授業第4回目は、「論理結合子の意味とは何か」という哲学的論理学話のまとめとして、「証明の正規化」の話をします。また、その後、正規化の話を軸に、記号の書き換え体系が論理と呼ばれるための条件について考えたいと思います。

具体的には、最小命題論理では全ての証明が正規化可能であるというメタ定理を証明します。ただし、証明は概略にとどめ、技術的に難しい帰納法についてなどの話題は省きます。
これは、これまでに紹介した「論理結合子の保存拡大性」「インバージョン原理」などを証明するためには不可欠な性質であり、ダメットによって、全ての論理結合子の導入規則と除去規則の間にあるべき関係である「ハーモニー」の有力候補の一つとされているものです。実際、多くの論理学者は、「正規化できない体系は論理と呼べない」と語っています。

授業内容

  1. 前回の復習
  2. 証明の正規化
  3. 正規化定理の応用