基礎演習 I 論理学

京都大学文学部の「基礎演習 I 論理学」(毎週火曜日16:30〜18:00)の授業Blogです。

授業第十六回目の今回は、「論理結合子の条件」について、証明論的意味論の立場から考えてみたいと思います。具体的には、意味の理論IIの素朴な解釈である素朴な推論主義「論理結合子の意味は導入規則と除去規則によって完全に定められる」が正しいかどうかを検討します。この場合、問題となるのは「導入規則さえ与えれば、どんな結合子も『論理結合子』として認められるのか?」という疑問を考察です。この疑問に関し、プライアーによる tonk の例をあげ、素朴な推論主義が成立しないことを示し、ベルナップによる「保存拡大性」概念を導入します。
なお、保存拡大性の説明の箇所で使用する証明図の書き換えの技法は、今後、証明の正規化などの箇所で重要になります。