基礎演習 I 論理学

京都大学文学部の「基礎演習 I 論理学」(毎週火曜日16:30〜18:00)の授業Blogです。

シラバス

題目:論理学演習

授業のテーマと目的

我々は「論理的」という言葉をよく使う。哲学においても、もちろん「論理的」であることが要求される。では、「論理」とはなんだろうか。
本演習では、数学における証明を題材に、証明で使用される「論理的」操作が可能な記号処理の体系を紹介し、単なる記号の処理を行なう体系が「論理」と呼ばれるにはどんな性質を満たす必要があるかを考察する。

授業計画と内容

本演習の前半では、最小論理(minimal logic)の体系を考え、「命題は証明のデータ型である」という考え方に慣れるともに、体系上で自然演繹の証明が出来るようにする。また、その体系の列計算の体系についてカット除去定理を証明し、カット除去が可能な体系こそ論理の名に値する、という考え方を考察する。
後期では、前期で学んだ体系に矛盾律排中律とルールを加えていき、関連の深い矛盾許容論理や直観主義論理といった非古典論理の体系について紹介し、最終的に古典論理を学ぶ。同時に、ルールを加えると、命題と証明の対応がいかに崩れていくか、また逆に対応する意味論が簡単となるかを論じる。

成績評価方法

数回に一回出題する宿題の累計成績に準じて行う。

コメント

体系を理解するためには、まず手を動かして練習問題の証明をやってみよう。〜とは何か、と考えるのはそれから。